一般研究発表は、30件(7室)で、そのうち2件の発表辞退がありましたが、それぞれの部屋で活発な議論が繰り広げられました。第1日目、午後の研究討議「臨床的人間形成論の構築」と第2日目、午後の課題研究「価値多様化社会における『規範』の問題」では、いずれも学問的刺激に満ちた提案と熱のこもった議論が展開されました。用意されたレジュメが足らなくなる程の参加者数で、急いで増刷するという嬉しい誤算もありました。これも初めての試みとして、2つのシンポジウムを、一般市民にも公開する「公開シンポジウム」の形式をとらせていただいた結果でもあります。前述のように42名の市民(その多くは教育関係者)が1日もしくは両日の午後に参加して下さいました。

今大会では、初めての試みとして、学会と横浜国立大学教育人間科学部の共催という運営方式をとらせていただき、大学、学部からの全面的な支援体制が組まれましたが、何かと不行き届きもあったかと思います。しかし、事務局をはじめ、会員の皆様のご協力を得て、全日程を無事終了できましたことを、大変有難く思います。厚くお礼を申し上げます。

第47回大会報告(2004年10月16日・17日)

教育哲学会第47回大会は、10月16日(土)、17日(日)の両日、横浜国立大学を会場として開催されました。その前後の土曜日の横浜は、大型台風の襲来があり、新潟中越を震源地とする地震に見舞われましたが、その合間を縫っての大会開催となりました。両日ともに快晴に恵まれ、多数の会員のご参加をいただきました。2日間で、受け付けを済ませた会員219名、臨時会員49名(合計268名)、一般市民42名(公開シンポジウム参加)で、合計すると参加者数は310名に上り、盛会のうちに幕を閉じることができました。
 

第47回大会準備委員長 高橋 勝 


                   




ラウンドテーブルは、「『死ぬこと・生きること』の教育哲学」、「教育学と優生思想の接点」の2つで、いずれも予想を超える参加者数となり、こちらもレジュメを大幅に増刷いたしました。

第1日目、夕刻の懇親会は、小笠原道雄代表理事の挨拶をもって開会し、福田幸男教育人間科学部長からは、今回の「共催」で、学部が本学会に多少でも貢献できることは有難い限りであるとの挨拶がありました。午前中の個人研究発表と午後の研究討議のディスカッションの熱気がそのまま会場に引き継がれ、遠くに横浜の夜景を見ながら、なごやかな歓談と議論の輪が広がりました。

第2日目、午後の総会では、先の役員選挙の結果が報告され、小笠原道雄代表理事(2期目)からは、学会の直面する諸課題に積極的に取り組んでいきたい旨の挨拶がありました。また次年度の大会は、香川大学教育学部で行われることも報告されました。

教育哲学会の大会が横浜国立大学で開催されるのは、実は初めてのことであり、その意味でも、開催校としては記念すべき大会となりました。十分なことが出来ませんでしたが、全国からご参加いただきました会員の皆様に、重ねて厚くお礼を申し上げます。