教師にとっての心・生命 −人間的自然/教育可能性/完成可能性の現在−
テンブルックによる「社会学者」ヴェーバー像への異議申し立て以来、パーソンズによって敷かれたジンメルに始まる社会学史の解釈カノンは崩壊したと言われる。
翻って教育学では、近代学校と教員養成という制度的支えの上に、ヘルバルトよりこの方自立した「学科」としての命脈を維持し続けてきたかに見えるが、
同様な危機に直面していることは言を待たない。
近年の近代批判や文化批判の大波を受けて、教育研究はその表面的な拡大と科学化の反面で、
学問としての存亡を掛けた問いかけに晒されているわけである。 |